NEWS新着情報

歯医者はどこまで保険適用?保険治療の範囲と適用条件について2024.03.26

「歯科治療の保険診療と自費診療の違いや保険適用の条件が知りたい」と思っていませんか?
白い詰め物や被せ物は自費診療というイメージが大きいと思いますが、保険が適用されるものも存在します。保険が使用できる条件を知っておくことで、納得のいく治療につながりやすくなるでしょう。
こちらのページでは、歯科保険治療の範囲と適用条件、保険の適用を上手に活用する方法について分かりやすくまとめました。ぜひご参考ください。

歯科保険治療の範囲と適用条件

 歯科の保険治療は「機能回復のための最低限の治療」に限られます。高い審美性や機能性のある治療は、最低限の治療という条件には当てはまらないことから、保険では受けられません。
治療法ごとに分けてくわしくみていきましょう。

白い詰め物や被せ物の場合

プラスチック素材のコンポジットレジンを使用した白い詰め物は、保険が適用されます。また、国への届出をしており、かつ部位や機材があるなどの条件が整っていれば、CAD/CAM冠というプラスチック素材の白い被せ物も保険で入れることが可能です。
プラスチック素材は安価ですが傷や摩耗がおこりやすく、長期使用で変色する可能性もあります。見た目を気にして定期的に詰め直す方も珍しくありません。
審美性の高いセラミックや耐久性のあるジルコニアなどは、自費診療です。

金属を使用した詰め物や被せ物の場合

保険が適用される最もスタンダードな銀色の金属は「金銀パラジウム合金」です。耐久性は高めですが、硬すぎるため伸びが悪く、フィット性に劣るのがデメリットとして挙げられます。また、噛み合う歯が擦り減りやすい点も注意しなくてはいけません。
硬さが天然歯に近く、伸びがよくてフィット性が高いゴールド(金)は、自費診療です。

入れ歯・ブリッジ・インプラント治療の場合

虫歯や歯周病、怪我などが原因で歯を失った場合は、歯の機能を回復させるための治療が必要です。入れ歯やブリッジ、インプラント治療がそれに当てはまりますが、保険診療と自費診療とでは見た目や使用感が大きく異なります。

入れ歯治療

全体がプラスチック素材でできている入れ歯は、保険が適用されます。部分入れ歯であればバネに金属が使われるため、見た目に支障をきたすケースも少なくありません。総入れ歯は金属のバネはつきませんが、耐久性を上げるためにある程度の厚みが必要です。慣れるまでに時間がかかる傾向にあります。
見えない床部分に薄い金属を使用して違和感を小さくした金属床義歯や、金属のバネを歯ぐきと同じ色にした審美性の高いノンクラスプデンチャーなどは、自費診療です。

ブリッジ治療

金銀パラジウム合金を使用したブリッジは、保険が適用されます。詰め物や被せ物のケースと同じように耐久性はありますが、フィット性に劣る点や噛み合う歯が擦り減りやすい点がデメリットです。
歯に優しいゴールドや審美性の高いセラミック、耐久性のあるジルコニアなどを使用したブリッジは、自費診療です。

インプラント治療

インプラント治療は、保険が適用されません。1本単位で費用が発生するため、埋入する部位が多ければその分経済的な負担が大きくなります。費用相場は1本あたり30〜40万円です。

矯正治療・ホワイトニングの場合

矯正治療は、まったく噛めていない状態や手術が必要なケース以外は、審美目的と判断されるため保険が適用されません。小児矯正の場合は30円〜50万円、成人矯正の費用相場は10万円〜150万円前後と大きく幅があります。
ホワイトニングは、審美目的であるため、保険は適用されません。費用相場は、ホームホワイトニングの場合はマウスピースの作成費が5千円〜1万円、これに1週間分の薬剤費2千円前後が追加されます。オフィスホワイトニングの場合は2万円~5万円です。

歯科治療の費用と保険の適用を上手に活用する方法

歯科治療でかかった費用のうち、治療目的となる施術は基本的に「医療費控除」の対象です。美容目的の施術は対象外ですのでご注意ください。
医療費控除は、支払った医療費に対して一定額の所得控除が受けられる制度です。「医療費控除の額 = 支払った医療費の合計額 -(所得金額合計×5%※)※上限額は10万円」で求められ、1年間にかかった医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%)を超えた場合が対象です。
医療費控除を活用するには確定申告をする必要がありますので、初めての方は申告方法を事前にチェックしておきましょう。

まとめ

歯科治療で保険が適用されるのは「機能回復のための最低限の治療」のみです。高い機能性や審美性が求められる治療や処置は、特殊な材料や機材を必要とするため、自費診療で行われます。「何を重視するか」を明確にすることで、おのずと適切な治療法がみえてくるでしょう。取り扱う材料や機材は歯科医院によって異なる場合があります。希望の治療が保険適用なのかどうかを知りたい方は、当院までお気軽にご相談ください。

東 寿子

監修者|銀座4丁目東デンタルオフィス 院長
臨床歯周病学会認定医 2007年 3月4日 登録番号194号

東 寿子のプロフィールはこちら> 地図はこちら>