NEWS新着情報

歯医者で入れた詰め物がすぐ取れたのは治療が下手だから?その対応法・予防法について2024.08.20

「入れたばかりの詰め物がすぐに取れてしまった」とお困りではありませんか?

取れるにはそれなりの原因が存在し、そのなかには患者様自身で防げないこともあります。

こちらのページでは、詰め物がスグに取れる原因や対応法・予防法について分かりやすくまとめました。お困りの方はぜひご参考ください。

詰め物がすぐ取れる主な原因とは?

長年使っていた詰め物が取れる場合は、接着剤や詰め物の劣化、詰め物の変形、虫歯の可能性が考えられるため早めの治療が必要です。

部分的な詰め物は全体を被せるタイプよりも取れやすい傾向にありますが、詰めてすぐに取れた場合は原因として以下の4つが考えられます。

精度の高い接着剤を使用していない

詰め物を合着するための接着剤は複数存在し、精度の高いものだけでなく低いものもあります。精度が高ければそれだけ費用がかかるため、コストを気にしている歯科医院は精度の低いものを選びがちです。

歯科医院によって取り扱っている接着剤は大きく異なりますが、こだわっているところはサイトに情報を載せているケースも少なくありません。「すぐに取れるのではないか?」と心配な方は、サイトをチェックしたりカウンセリングを利用したりするなど事前に確認することをおすすめします。

詰め物が窩洞にフィットしていない

虫歯治療で歯を削ったあとの空洞を窩洞(かどう)といいます。窩洞にしっかりフィットしている詰め物は、簡単に取れることはほとんどありません。フィット性は詰め物の素材によって異なり、保険適用の銀歯は低い傾向にあるため注意が必要です。

保険適用であっても素材を窩洞に直接流し込むCR(コンポジットレジン)はフィット性が高い傾向にありますが、施術者の技量にもよるため、何度も同じ部位が取れて詰め直しをしている場合は歯科医院の変更を考えてみるのもいいでしょう。

窩洞の形に問題がある

本来、窩洞はアンダーカットとよばれる引っ掛かりを作る必要がありますが、削る部位や範囲によってはそれを作るのが難しい場合があります。アンダーカットがなければどのような素材を使っても詰め物が取れやすくなってしまうため、被せ物への変更をおすすめします。

噛み合わせに問題がある

噛むときにかかる力は歯によって異なり、強くあたる部位や瞬発的な力が加わりやすい部位は詰め物が取れやすい傾向にあります。部位にあった素材や治療法を選ぶことが、頻繁に取れるトラブルを防ぐポイントです。

取れた詰め物の緊急対応法は?

患者様自身ができる緊急な対応法は残念ながら存在しません。できるだけ早めに歯科医院で対応してもらうのが最も早い対応法です。

歯科医院に行かずに市販の接着剤で無理につけると、自分の歯を傷つけるだけでなく、虫歯がなくても取るために広範囲を削ることになるためご注意ください。

歯科医院でできる対応は以下のとおりです。

取れたものをつけ直す

銀歯の詰め物など型取りをして作った技工物が取れた場合、変形がみられず、かつ窩洞に新たな虫歯ができていない、窩洞に接している部分の天然歯が欠けたり割れたりしていなければつけ直しが可能です。

新しく作り直す

技工物に変形がみられたり窩洞に新たな虫歯ができている、窩洞に接している天然歯が欠けたり割れたりしている場合は、今まで使っていたものは使用できないため新しく作り直す必要があります。

別の治療法で対応する

部分的な詰め物で何度も取れてしまう場合は、全体を被せる方法で対応します。

詰め物が取れないようにする予防方法は?

詰め物が取れないようにするには以下の方法がおすすめです。

質の高い詰め物を行う

精度の高い治療を行うためには、それなりの材料や素材を選ぶ必要があります。素材の説明をする歯科医院は多いですが、接着剤や型取りに使う材料などを細かく説明する歯科医院はほとんどありません。心配な方はカウンセリングのときに確認するのをおすすめします。

フロスを使ってチェックする

詰め物が歯の側面まである場合は、フロスを使って問題がないかをチェックすることができます。フィット性が悪かったり変形がおこっていたりするとフロスがひっかかりやすく、虫歯が発生している可能性もあります。もしも試してみて引っ掛かりを感じたら、早めに歯科医院で確認するようにしましょう。

定期検診を受ける

定期検診は虫歯や歯周病のチェック、クリーニングだけでなく、技工物のトラブルの早期発見・早期対処にも役立ちます。詰め物を行った歯だけでなく全体の歯を守るためにも、定期検診を習慣化しましょう。

まとめ

精度の低い接着剤を使用したりフィット性が悪かったり、窩洞の形や噛み合わせに問題があると入れたばかりの詰め物がすぐに取れてしまうことがあります。何度も取れると通院が多くなり、そのぶん生活に支障をきたす可能性もあるため注意が必要です。取れないようにするにはまず歯科医院選びが重要であり、そのうえで患者様自身の管理も欠かせません。

取れたものをつけ直すだけではほかのトラブルを防ぐことはできませんので、歯を長持ちさせるためにも定期検診はしっかり受けるようにしましょう。

東 寿子

監修者|銀座4丁目東デンタルオフィス 院長
臨床歯周病学会認定医 2007年 3月4日 登録番号194号

東 寿子のプロフィールはこちら> 地図はこちら>