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歯医者で麻酔をしたら食事はいつとれる?時間をおく理由と避けるべき食品について2025.02.06

「麻酔をした直後に食事ができないのはどうして?」と気になっていませんか?

歯科医院ではさまざまなケースで麻酔を使用しますが、お帰りのときに麻酔が切れるまで食事を控えるようにと患者様にお伝えします。麻酔が効いた状態で食事をするとトラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。

こちらのページでは、麻酔をした直後の食事が危ない理由や避けるべきものについて分かりやすくまとめました。治療を控えている方はぜひご参考ください。

歯医者で麻酔をした後に完全に切れるまで食事を待つ理由は?

麻酔をすると、打ったところだけでなく周囲の歯ぐきや唇の感覚も鈍くなります。食べ物を噛んだときに間違って粘膜を巻き込んでしまったり火傷したりする恐れがあるため、注意しなくてはいけません。

歯科医院では新たなトラブルを引き起こさないよう麻酔が切れてから食事をするようにとお伝えしています。

感覚が鈍いと思いっきり噛んでも気づくことができないほか、できた傷が外傷性の口内炎につながるケースも珍しくありません。

傷があることでお手入れがしにくくなり、治癒が悪くなる可能性もあります。飲み物は禁止ではありませんが、口元からこぼれてしまう可能性があるため注意してとるようにしましょう。

歯医者での麻酔後の食事はいつから食べていいのか

麻酔の効果がきれるまでの時間は、麻酔の種類によって異なります。使用する麻酔の種類を把握しておくことで、その後の過ごし方もイメージしやすくなるでしょう。

心配な方は治療前に主治医へご確認ください。

歯科で取り扱っている麻酔は以下の3つです。

表面麻酔

歯ぐきに塗るタイプの麻酔です。塗布してから数十秒後にピリピリとした感覚が出始めますが、痛みはありません。浸潤麻酔をする前やグラつきが大きい乳歯の抜歯などで使用されます。

効果が10分程度と短いため、食事への影響は基本的にありません。

浸潤麻酔

歯ぐきに針を刺すタイプの麻酔です。部分的な感覚を麻痺させる効果があり、虫歯治療や歯周外科、抜歯、インプラント治療など幅広く使用されます。

効果は2~3時間継続するため、その間の飲食に注意が必要です。

伝達麻酔

浸潤麻酔と同じく歯ぐきに針を刺すタイプの麻酔です。指す場所は奥歯のさらに後ろ側で、親知らずの抜歯で使用します。

効果が4~6時間と長いため、治療を受ける前に食事を済ませておくのがおすすめです。

歯医者での麻酔後に避けるべき食品と理由

各麻酔の効果時間はあくまで目安であり、患者様の体質やその日のコンディションによっても左右されます。

効果が完全に切れるまで目安より長くなる場合がありますので、以下のものを口にする場合は注意しましょう。

硬めの食材や大きめの料理

ステーキやハンバーガーなどは強く噛む必要があり、粘膜の感覚が完全に戻ってから食べたほうが安全です。

治療したばかりの歯に余計な負担をかけないためにも、柔らかめのものを選んで食べるようにしましょう。

刺激の強い料理

熱すぎるものや辛すぎるもの、しみやすいものなどは、麻酔をした部位に余計な刺激を与えることになります。

とくに熱すぎるものは火傷の原因になるため、粘膜の感覚が完全に戻ってから食べるようにしてください。

アルコール類

麻酔が完全にきれていないときにアルコールを摂取すると、感覚が鈍って麻酔の効果が残っているのかどうかをさらに判断しにくくなります。

抜歯後であれば血が止まらなくなる大きな原因であるため、さらに注意が必要です。麻酔をした日はできるだけアルコールを控えて、刺激の少ない飲み物を選ぶようにしましょう。

麻酔が切れたあとに痛みを感じるケース

麻酔が切れたあとに痛みを感じるケースは、唇や舌などを噛んで傷ができた場合や火傷したときだけではありません。以下の内容にも注意して、鎮痛剤が効きにくい場合は歯科医院へご連絡ください。

抜歯時の組織の損傷がある

抜歯時は歯ぐきや顎骨に器具が触れるため、組織が損傷して麻酔が切れたあとに痛みが発生することがあります。とくに時間のかかる親知らずの抜歯などは腫れや痛みが数日続くことも珍しくありません。

強い痛みが何日も続く場合や耐えられない強さになった場合は、一度歯科医院へ相談してみましょう。

麻酔を数カ所に打った

麻酔が効きにくい場合や処置範囲が広い場合は、麻酔を数カ所に打つことがあります。

針を刺す部位が多ければ多いほど切れたあとに歯ぐきの痛みが発生しやすくなりますが、お口のなかを清潔に保っていれば1~2日で落ち着くので心配はいりません。

神経の近くまで歯を削った

神経の近くまで歯を削った場合、冷たいものや熱いものがしみやすくなります。

それらを口にしたときのみ痛みを感じるのは知覚過敏の症状であり、ズキズキとした強い痛みが続くようであれば神経が刺激に耐えられない可能性があるため、場合によっては神経を取る根管治療が必要です。

鎮痛剤を飲んでも痛みが落ち着かない場合は歯科医院へご相談ください。

まとめ

歯科医院で麻酔をすると、患部だけでなくその周囲の感覚も鈍くなります。唇や舌を巻き込んで噛んでしまったり火傷をしたりする恐れがありますので、食事は効果が完全に切れてから摂るようにしましょう。

柔らかいものや常温に近いものを選ぶのがポイントです。

効果が切れたあとに患部の痛みが続くようであれば鎮痛剤を飲んで様子をみていただきますが、強い痛みは新たなトラブルが発生している可能性があります。不安な方は早めに歯科医院へご連絡ください。

東 寿子

監修者|銀座4丁目東デンタルオフィス 院長
臨床歯周病学会認定医 2007年 3月4日 登録番号194号

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