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治療が終わらない!歯医者が何回も来させる本当の理由とは?2025.04.11

「何回も通院が必要で困っているんだけど、ちゃんとした理由はあるの?」と気になっていませんか?

歯科治療はほかのクリニックとはちがう点がいくつか存在し、それが通院が続く理由にもなっています。

こちらのページでは、歯科治療に時間がかかる理由やスムーズに治療をすすめるためのポイントを分かりやすくまとめました。お困りの方はぜひご参考ください。

歯医者の治療はなぜ時間がかかるのか?

歯科治療は数回の通院が必要になるケースが多いため「お金を必要以上に請求されているのでは?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。

治療に時間がかかる主な理由として、以下の4つが挙げられます。

手順を踏む必要がある

歯科治療はお薬を処方するだけで治せるトラブルがほとんどありません。「歯を削る」「型取りをする」「詰め物や被せ物を作る」「合着して噛み合わせを確認する」など治療ごとに手順を踏む必要があり、すべてを1回で終わらせることができないのが時間がかかる大きな理由です。

とくに技工所が院内にない場合は、詰め物や被せ物を作るときに外注するため、セットするまでに1週間ほど待つ必要があります。

進行度によって治療内容が異なる

例えば虫歯の場合だと、軽度であれば1回の通院で治せる可能性が高いですが、中等度だと型取りをして詰め物や被せ物を行う必要があります。

重度になり根管治療(歯の神経を取る処置)が必要になるとさらに4~5回ほど通院回数が増えて、土台と最終的な被せ物の型取りをそれぞれ別で行わなくてはいけません。軽度の虫歯にくらべて治療期間がとても長くなり、その分治療費もかかってしまうので、進行する前の治療や予防が大切だといえます。

歯周病の場合も同じで、進行度によって適切な治療法が異なります。進行すると虫歯よりも治癒が難しい疾患ですが、目立った自覚症状が少ないため発見が遅れるケースが少なくありません。

保険診療はルールに沿って行う必要がある

保険診療は、自費診療とはちがって細かなルールが存在します。

使用する材料や時間などに限りがあり、1回でできる治療内容や手順などのルールを守らなければ保険診療を行えません。クリーニングが数回に分けられるのも、保険診療であることが理由です。

1本ずつ治す必要がある

歯科治療を何本も同時に行うと、噛み合わせが悪くなったり治療の質が下がる可能性があります。

とくに根管治療が必要なケースでは、1本の歯の処置をするだけでもだいぶ時間がかかってしまうため同時には行えません。「できるだけ通院回数を減らしたい」という方は、状態が悪化する前の治療や予防を心がけましょう。

歯医者が複数回の通院を促す理由

歯科医院側が数回の通院を促すのには、明確な理由が存在します。「お金儲けのためでは?」と感じる方もいると思いますが、実際はそうではありません。
納得のいく治療にするためにも、以下の内容をしっかりと理解しておきましょう。

しっかり治療を完了させるため

患者様に通院していただかないと、歯科医院側は手順に沿って丁寧に治療をすすめることができません。

とくに通院回数が多くなりがちな根管治療は、治療を中断してしまう患者様が少なくありませんが、歯の内部に残っている菌が増殖してトラブルが再発するリスクが高く、歯を支える顎骨が溶かされていくケースも多いため注意が必要です。
痛みを感じないからといって歯の状態が良くなったとは限りませんので、自己判断で通院を中止するのはやめましょう。

変化を確認するため

虫歯の治療をはじめ歯周病治療や入れ歯治療など「症状の変化」を確認するケースはよくあります。検査をして分かることも多いため、たとえ変化の自覚がなくても通院を促された場合は忘れずに行くようにしましょう。

スムーズに治療を進めるためのポイント

以下のポイントを意識することで治療をスムーズにすすめやすくなります。

自己判断で通院を中止しない

自己判断で通院を中止すると状態が悪化して、治療期間が余計に延びてしまう可能性があります。毎回同じ治療を繰り返していると感じても、実際は状態の変化に合わせた細かな治療を行っていますのでご安心ください。

治療をスムーズにすすめるには患者様のご協力が必要不可欠です。

トラブルがあった場合はすぐ歯科医院へ連絡する

仮歯や仮の詰め物をしている場合、それが破損したり取れたりすると土台となっているご自身の歯が割れる可能性があるため注意が必要です。

完全に割れてしまうと選択肢が抜歯のみになる場合もあるため、トラブルがあったときはすぐに歯科医院へご連絡ください。

引っ越しや転勤などがある場合は早めに歯科医院へ伝える

引っ越しや転勤などで通院が難しくなった場合は、転院手続きをしなくてはいけません。転院手続きをすることでお口のなかのデータを新しい歯科医院と共有でき、その分治療がスムーズにすすみます。

次に通う歯科医院を見つけていない状態は、治療の中断の原因となるため早めに確認しておきましょう。

まとめ

歯科治療で何回も通院が必要になる理由として主に「手順を踏む必要がある」「進行度によって治療内容が異なる」「保険診療はルールに沿って行う必要がある」「1本ずつ治す必要がある」などが挙げられますが、どれも良い仕上がりにするには欠かせないものです。良い仕上がりは結果的に「二次カリエス予防」に役立つため、今後のお口の環境が良くなる大きなポイントであるといっていいでしょう。

治療回数に不満を感じた場合は、その理由を直接歯科医師に聞いてみるのもおすすめです。患者様の今後を考えた治療を行っていればしっかりと回答してくれるはずですので、気になる方はぜひ一度お試しください。

東 寿子

監修者|銀座4丁目東デンタルオフィス 院長
臨床歯周病学会認定医 2007年 3月4日 登録番号194号

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